2011年5月13日金曜日

原発供養


ウェブや本の中で、このところ内田樹(たつる)氏の名前をよく見聞きします。私が興味を持って読んでいる文章の書き手と内田氏がつながっていることが多いようです。

大震災後の文章の一つに原発供養 (内田樹の研究室)がありました。内田氏の文章は、さっさと読み飛ばすにはちょっと難しいところがあるのですが、いつも何か新しい視点を提示してもらえる内容です。

福島第一原発の事故が発生してから、原発に関して多くの意見が飛び交っています。現場で働く人々に関しての賞賛の声は早くから上がっていましたが、それに反して、東京電力や政府の対応のまずさ、情報公開の少なさは今もって非難の対象となっています。

「爆発した原発を供養しよう」という考え方。日本人が本来持つ、「こわいもの」に対して「なだめる」慣習があるのを思い出させてくれる文章です。原発を一つの「存在」として考え、耐用年数を超えて働き続けてくれ、その結果の大事故で、あたかも「悪者」として見られる現状。私たちにとって、大きな意識転換の提案です。

そして、内田氏がこの文章を書いたきっかけが作家の橋口いくよさんだったとのこと。彼女のブログを読んでみて、大震災直後からの文章にとても納得した私です。特に2011年03月16日|橋口いくよオフィシャルブログ「Mahalo Air」はこころに残りました。何も手につかない状態の中で、「祈り」を通じて原発に想いをはせているのです。

大きな災害や事故・事件があると、それに対する人々の対応の違いがとても明確になってきます。「祈り」を通して他者や私たちの周りの全てのものを想う人たちが静かに増えていること、それが発信されてきていること。すてきです。


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