2009年5月2日土曜日

介護あれこれ

介護保険が導入されて丸9年、色々な手直しがなされているものの、現実に即さない部分が指摘される昨今。一番の原因は、介護保険スタート以降、日本の家族のあり方が大きく変わってきているからだそうです。

プロの手を借りる「介護の社会化」を目指してはいても、介護保険の前提はあくまで家族による介護。先日NHKテレビが紹介した様々な介護の状況は、私達が考える「家族」の概念とはかけ離れたものでした。

介護する家族が単身で仕事をしながらの「シングル介護」、介護する人自身が高齢の「老老介護」、そして介護する人が認知症である「認老介護」。

ど のケースも、ヘルパーさんにお願いできる介護が、時間的にも経済的にも大きく制約され、ギリギリの状態での介護が続いていました。特に、ほぼ寝たきりの80 代後半の男性を介護する認知症の奥さんのケースは、このご主人の健康状態が悪化する中、入院も施設入所も見込めない、絶望的な状況が報告されていました。

介護の現実を報じる番組や記事を見ると、これからの介護事情は全くお先真っ暗のような感があります。ですが、お役所やNPOが少しでも状況を改善していこうという取り組みも始まっているようです。

神奈川県秦野(はたの)市の高齢介護課では、介護する人をケアするスタッフが活躍しています。一人一人事情が違う介護の状況を詳しく聞き出し、介護者同士の交流の場を紹介し、定期的に電話で様子を尋ねるプログラムを実践しています。

家庭の中で、誰にも相談できないまま、介護者自身が体力的にも精神的にも参ってしまうケースが後を絶たないのが現状です。「一人じゃない」「誰かに相談できる」そう思えるだけで介護者の気持ちは軽くなるものです。「気にかけてくれる人がいる」それが大切なのです。

介護者への支援活動や男性介護者同士のネットワークの設立など、新しい動きが始まっているのは、「お先真っ暗」状態での将来へ向けての明るい光だと思います。

色んな介護の状況を知るにつけ、2年近い私自身の介護生活がいかに恵まれているかを感じます。母の状態が安定しているだけでなく、ヘルパーさんや訪問看護師さんたちの母への穏やかな対応、定期的にショートステイを受けてくださる病院の存在。

そして何より、私と母のことを気にかけてくださる方々がいらっしゃること、それが私の生活の一番の安定要因なのです。いつもありがとうございます。

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