2009年9月4日金曜日

金大中氏

韓国の政治家として波乱の生涯を閉じた金大中(キムデジュン)氏。在日韓国人で現在東京大学教授の姜尚中(カン・サンジュン)氏の追悼の文章を読みました。

日本語を話す世代の一人として、自分たちが生きている時代に日本との和解を進めることが大切だと言った金大中氏。北朝鮮に向けた「太陽政策」は、日本に対しても向けられていたのです。

投獄・軟禁・国外追放・・・不遇と困難を経験しつくした金大中氏は、「歴史と勝負する」こと、つまり「目の前の利益ではなく、自らが歴史にどう評価されるのか」、それを政治家としての決断の基準に置いて人だったのです。

単 に自国のことだけや北朝鮮との関係を考えるのではなく、東アジア共同体の必要性を説き、安定した平和なアジアを目指していました。真の民主主義を目標とし た金大中氏の死亡を継起(けいき)に、北朝鮮側からのアプローチが出てきたのも、今までの彼の種まきの成果なのでしょう。

不屈の精神の政 治家であるだけでなく、金大中氏は敬虔(けいけん)なクリスチャンであり、愛妻家としても知られていました。「私は生涯を通じて異性を本当に愛したことが ない人には魅力を感じない」というこのことば。「愛」のすばらしさを知り、大きく広がる「愛」の持つ力をこころから信じていた政治家だったのでは、と思い ます。

国葬では金大中氏の「政敵」であった全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領がVIP席に座り、金大中氏の死を悼(いた)んだ姿があったそうです。

波瀾万丈(はらんばんじょう)の生涯を終えたこの一人の政治家のことをもっと知りたいと思うようになった私です。

0 件のコメント: