2009年3月12日木曜日

KAIZEN

「KAIZEN」という日本語が英語でも使われる場面があると以前聞いたことがあります。日本の製造現場の効率性の高さを象徴したエピソードだと思ったものです。ですが現在、「KAIZEN」が必要なのは日本の社会そのものなのかもしれません。

今朝のビジネス展望で興味あるエピソードを聞きました。この不景気の中で、人員削減をしないでがんばっている中小企業を紹介していたのです。特定の社名はありませんでしたが、製造業のこの会社、社員全員に会社の現状を全て公開し、改善すべき点をみんなで考えるのだそうです。

受注した仕事に追われ、不良品が多く出ても、改善する余裕がなかった好景気の時に比べ、現在は何を工夫すればいいのか、じっくり取り組めるというのです。ですから注文は減少しても、生産効率は改善しているので、収益下落がある程度抑えられるのです。

「余裕」のある今は、新商品の開発や市場開拓のチャンスだとも考えているこの会社、今までも「今の仕事がなくなることを前提とした経営」を続けてきたと言います。金型(かながた)を作るこの会社にとって、一つの産業の一種類のものだけを生産するのは、リスクが大きすぎることを充分に理解して、会社運営を続けてきたのでしょう。

そして、何より「不況だからこそ、人材は絶対に必要」という考え方に徹しているのです。リストラをしないだけでなく、苦しい経営内容であっても、新規に優秀な人材を採用して「次」に備えているのだそうです。

「不景気=リストラ」という単純な公式ではない考え方。これからの新しい時代を生き抜くには、「常識的な」考え方にとらわれないことが大切なのかな、そう思います。企業も、そして私達自身も・・・

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