2009年11月16日月曜日

ドナルド・キーン

日本の文学研究者として知られているドナルド・キーン氏。60年に渡って日本と関わってきた研究者のことばを読みました。第二次世界大戦中に日本語を覚えたキーン氏。戦後の日本をずっと見つめてきた方です。

日本人は「大きくなった」のだそうです。これは文字通り、サイズのこと。戦後すぐには、キーンさん自身は日本の社会では「大きい人」だったのですが、現在は「中ぐらいの人」になっているというのです。確かに日本人の体格は立派になりましたね。

その大きくなった日本人が「小さな世界に住むようになった」とありました。自分だけの世界に住む人が増えた、そういう意味のようです。

ですが日本人は国際化が進んでも、「自国意識」の強い国民であり、美しいものや自然への憧憬(しょうけい)と調和と簡素さを求めるこころは変わらない。キーンさんはそう言います。深いところではそれほど変化していないのが日本人なのだそうです。

バブル経済後、日本人は日本そのものや日本人としての自信を失っているような気がします。先行きが不透明な現在の社会で、日本人であることを誇りにできない風潮もあるようです。

そんな中、日本人に、日本に長年寄り添ってきたキーンさんのことばは大きな励ましだと思います。日本人って、日本の文化って、とても豊かですてきなんだよ。そんなメッセージをキーンさんのことばから感じました。

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