2008年9月29日月曜日

障害?障がい?

“障害のある方とない方との交流を深めるため、「障がいのある方の親子のつどい」を今年も開催します。”

先日手元に届いた区民へのお知らせの中にあった文章です。一つの文章の中に「障害」と「障がい」の二つの表記があります。

「障害者」という言葉の中の「害」という文字がいけないという意見を尊重(意識?)して、官公庁の文章に「障がい者」という表記が使われるようになっているようです。ウェブで検索していると、以下のような北海道の文章を見つけました。少々長いのですが、抜粋して転載します。

「障害」のひらがな表記の試行について
1.施行を行う目的
 近年、障害の「害」という漢字の印象の悪さから、ひらがな表記にしている市町村や障害関係の施設、サービス事業者などが増加傾向にあります。「害」の字をひらがなに表記することについては、様々な意見があり、「障害」という表現を変えるべきとの意見もありますが、現在は定着した用語がないのが実情となっています。
 一方で、表記について議論を深めていくことは、ノーマライゼーション社会の実現に向けて、道民の意識醸成にもつながっていくことも期待されます。
 そこで、道としては、「障害」のひらがな表記の取り組みを次のとおり試行的に実施するとともに、様々な機会を通じ、広く道民の皆様方の意見を伺うこととしました。


2.表記方法
 ●「障害」という言葉が単語あるいは熟語として用いられ、前後の文脈から人や人の状況を表す場合はひらがな表記とします。
   障害者→「障がいのある方(人)」、「障がい者」
   身体障害者→「身体障がいのある方(人)」、「身体障がい者」
   知的障害者→「知的障がいのある方(人)」、「知的障がい者」
   精神障害者→「精神障がいのある方(人)」、「精神障がい者」

 ●法令や固有名称などの表記は、従前どおりとします。
   障害者基本法
   身体障害者福祉法
  北海道地方障害者施策推進協議会
  北海道保健福祉部障害者保健福祉課
  障害者110番
  肝機能障害、じん臓機能障害 など
  「高齢者・障害者」という文言などバランスを欠くとき

試行期間は、平成18年2月15日から当分の間とします。

※ 「障害」の表記は、戦前においては、「障碍」と表記されていましたが、昭和22年に公布された当用漢字表に「碍」が無くなり、似た意味の「害」の字を当てたといわれています。

※ 表記を変えている地方自治体の状況(平成17年11月1日現在)
 ● 道内市町村 札幌市をはじめ13市12町
 ● 他都府県  1県(福島県)


二年後の現在、どうなっているのか、それに関しては記述が見あたりませんでしたが、他にも三重県のHPに同様のものを見つけました。

「障害者」という言葉にこだわっているのは、障害者以外の人なのではないかなと思う私です。「私たち」と「彼ら」という感覚でいるのではないかな、そう思ってしまいます。

仲間の中に障害のある人がいる、という感覚で活動していると、「障害者」と書こうが「障がい者」と書こうが、全く関係ありません。障害があるから「できない」ことを健常者がサポートするのは当たり前で、健常者であってもそれぞれが「できないこと」は、「できる人」に支えてもらっているのです。お互いさまの気持ちがあるだけの仲間と一緒にこの10年、障害者スポーツの車いすフェンシングに関わってきました。

言葉にこだわるのではなく、自分の心の中にある「バリア」をみんなが気がつけばいいなと思います。それこそが「障害」なのですから・・・

2 件のコメント:

kfh さんのコメント...

100%同感。同様のこと多いよね。日頃からひっかかってました。「私たち」と「彼ら」と無意識に思っている人たちが、よかれ?と思って、いろいろ悩んでくださっている。。。もっと実のあることに時間とお金を役立てて欲しいですわ。

gorosatomama さんのコメント...

私が「いいこと」と思うのは、単に私の頭の中で考えていることなんですよね。私以外の人にはどうなんだろう、そう思う心の余裕を持っていたいものです。

個人のおつき合いにも、もっと大きな活動や行政でもね。

本当の意味での「善いこと」を選んでいける自分になりたいと思います。