昨日の朝日新聞夕刊に「免疫学者・まひ抱え文筆活動 多田富雄さん死去」という記事が一面に掲載されていました。
「多田富雄」というタイトルでブログの下書きを書き出していたのが、去年の4月。丸一年前のことです。
免疫学者として国際的に有名な方であったことはあまり知りませんでしたが、2001年に脳梗塞で倒れ、重い右半身まひや言語障害の後遺症を抱えたその姿をありのまま撮影したドキュメントを目にして以来、ずっとお名前を追いかけていた私です。
5年前に前立腺ガンが見つかり、今年になって全身の骨への転移が判明していたとのこと。その身体で、今月11日には東大での講演会で、パソコンの人工音声での発表をなさったようです。
下書きをしっかりまとめないままに、ご本人の訃報(ふほう)を聞くことになりました。去年の下書き、そのまま掲載します。
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朝日新聞朝刊の第三面の「聞く」というコラムに多田富雄氏の文が連載されています。第一回に掲載された氏の紹介文は以下のようなものです。
『多 田富雄さん(74)は世界的な免疫学者で、「能」作者、文筆家にして、第一級の障害者である。脳梗塞に倒れて7年。日々、後遺症と闘いながら、何とか左手 だけでパソコンを打ち、命の言葉を紡(つむ)いできた。最近、社会に向けた発言が増えている。パソコンを通じて聞いた。』
右半身マヒ、嚥下(えんげ)障害で水を飲むこともままならなかった状態から、リハビリを通して回復したご自身の経験から、リハビリの日数制限(発症後180 日)に対して、その撤回を求めて新聞に投稿し、それがきっかけで2ヶ月で48万人の署名が集まる運動に発展。ですがリハビリ日数制限は現在も存続し、障害 者や高齢者にとって大きな足かせとなっているのです。
多田氏は「リハビリは単なる機能回復訓練ではありません。社会復帰を含めた、 人間の尊厳を回復することです」と記します。日本の医療・福祉を改めて考えるきっかけとなる多田氏の発言であり、生き様だと思います。以下の文に詳しい記 述があります。
多田富雄先生の挑戦
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