2009年8月7日金曜日

医学の進歩

昔、医学が進歩したら、病気はなくなると人々は信じていたはず。でも現実には病気は減るどころか、何かしら病気を抱える人が一杯。

確かに、感染性の病気は、抗生物質の開発で減ってきているとは言うものの、HIV感染など、形の違う病気が現れてきたのも事実。

現 代の西洋医学は、精度の高い検査機器で、からだのあれこれを診断するから、ほんの少し「標準値」からずれていても、「あなたはXXX症です」という通知が 届く。肉類をほとんど食べない私が健康診断を受けると、いつも「コレステロール値が高い人のために」という食事療法のパンフレットをもらうことに。検査結 果には「体質」は全く考慮されない様子。

作家の五木寛之氏は、病院に行かないことで有名な人。

「確かに調子の悪いところはありますよ。もし病院にいけば、即座にいくつもの病名がつくと思います。でも自分で病院にはいかないと決めているのですから、色んな症状も含めて自分で責任を持つだけです。」

先日の新聞のコラムにあった、小児科医の毛利子来(もうりたねき)氏のコメント。

「健 康診断には有益なことが多いには違いない。けれど、やりすぎたり過信したりすると、かえって病気にされてしまうことも少なくないのではないか。ぼくは、健 康診断はほどほどにしたほうがよい、たとえ根拠のしっかりした健康診断でも、70歳を過ぎたころからは、受けないほうがよいとさえ思っている。何しろ、受 けるたびに、あれこれと“異常”を宣告され、生き方に制限を加えられたのでは、短い老い先が辛くなってしまいそうだからだ。」 

毛利先生は今年80歳。子育ての頃、先生のご本の「ほんわかコメント」に大いに助けられていた私です。

どんなに医学が進歩したとしても、自分の健康は自分が一番わかっている、そうなっていたいと思います。ちょっと不安な時に、相談できる存在があれば、鬼に金棒。そして必要ならば、ちゃんとお医者様の治療を受ける。全て、自分自身で納得していたい、そう思う私です。

2009年8月6日木曜日

夏の庭

ジリジリ照りつける太陽
雑草はとても元気
小さな花がいろどりのアクセント



2009年8月5日水曜日

ワイドショー?

裁判員裁判制度がスタート。最初の裁判について、連日詳細な報道が続いています。NHKテレビでも特別の放送枠や、ニュースの時間に「微(び)に入り細(さい)に渡って」裁判の進行状況を知らせてくれます。

この報道を見て「これはワイドショーだ」と感じる私は不遜なのでしょうか。

確かに新しい制度の最初の裁判として、多くの人の興味を引き、また興味を持つべきことがらではありますが、テレビで「そこまで」詳しく、それも同時進行で知らせる必要があるのでしょうか。

殺人事件です。人が殺され、その犯人への判決を下すという、とても「大変な」裁判なのです。被害者の家族の様子、裁判員の様子(服装も含めて)、検察官や弁護士のことばづかい。「偶然」この制度の最初の裁判になった事件。その詳細が次から次に日本中に紹介されます。

4 日の夕刊にフリージャーナリストの江川紹子(しょうこ)さんの裁判傍聴記が掲載されました。オウム真理教事件などの裁判を長年取材している江川さんのコメ ントには、法廷の内部がカーペット敷きに、傍聴席のいすが紅色系の布張りになって、ぐっときれいになったとあります。モニターが場内のあちこちにおかれた ハイテク化も大きな変化だそうで、今回のこの裁判がいかに特別であるかが理解できます。

検察側、弁護側の冒頭陳述や証拠説明の様子も文章から情景が浮かんできます。江川さんの主観も含めて、文字で表現されていることで十分だと私には思えました。

速報で伝えるべき情報と、しっかりとまとめた形で伝えるべき情報があるように思います。ただただ声高(こわだか)にあおるような番組作りはやめてほしい、そう思います。



PS: 「微に入り細に渡り」が辞書に出てきませんでした。ウェブにこんな比較がありました。

細かいところまで深く入り込んで、という意味であれば、
「微に入り細に入り」

細かいところまで広く、という意味であれば、
「微に入り細に渡り」

細かいところまで気を配り、という意味であれば、
「微に入り細を穿(うが)つ」

2009年8月4日火曜日

89歳の作家デビュー

歴史小説「見残(みのこ)しの塔」の作者、久木綾子(ひさぎあやこ)さん。70歳で山口市の瑠璃光寺の国宝の五重塔と出会い、この塔に関するエピソードの 取材に14年、執筆に4年をかけ、89歳で作家デビュー。

「遅咲きの作家」という表現がありましたが、80歳後半の「遅咲き」の作家は聞いたことがありま せん。

この本を読んだわけでもない私が、新聞の紹介記事に強く引かれた理由は、彼女の生き様です。

1919年(大正8年)生まれの久木さんは女学校卒業後に初めての小説を書いています。戦争中に、松竹大船撮影所で、映画の紹介文などを書く仕事を3年し、その後結婚。

穏やかなご主人が「女性がちゃぶ台で四角張(ば)って書いているの、好きじゃないな」という一言で、「書く」ことを中断。ずっと専業主婦。そして70歳の時に、ご主人が亡くなり、五重塔との出会いとなります。

久木さんを紹介する新聞の記事から「規矩」ということばを知りました。「きく」と読みます。コンパスとものさし、という意味から、考えや行動の基準となるもの、という意味だそうです。

五重塔を建てた職人たちの生き方から彼らの「規矩」を学んだとあります。「彼らは自身の人生においても、自らのコンパスとものさしを使って、持って生まれたものを測り、なすべきことをしながら生きた」

そ して久木さんご自身にとっての「規矩ある生き方」とは、
「私自身も時代や環境に応じて、できることをやってきました。そのささやかな生の積み重ねが、私の 規矩となったのかもしれません。私は小説を書き始めながら一度やめました。でも考えてみると、この年齢になったからこそ五重塔と巡り会えたし、小説に書き 残せたような気がします。“見残しの塔”という小説は、私自身の規矩で選び取る、組み上げてきた、私にとっての「塔」なのかもしれません。」

穏やかな表情の中に、稟(りん)とした生き方を感じさせる久木さんの写真。良き先輩女性に会えたようで、こころがはずんだ私でした。


PS: 今年の3月、NHKラジオ深夜便の「こころの時代」に出演されているようです。お名前を検索すると、あちこちのブログに掲載されていました。

2009年8月3日月曜日

晴れた!

やっと朝から晴れました

Chuckも濡れずに庭で遊べます

今年も庭は雑草畑

あじさいは刈り込んでもらってすっきり

「ふしぐろせんのう」はちょっと色が薄い


夏はね、こんな太陽が出るんだよ、Chuck!

2009年8月2日日曜日

ヘボン式

日本語の音をローマ字で書くとき、「し」を「shi」、「つ」を「tsu」と書くのがヘボン式。小学校時代から知っているこのことば「ヘボン」がHepburnであるのをつい最近知りました。

明 治初期に横浜にやってきた医師兼プロテスタントの伝道師だったヘップバーンさんが、日本語の音声をアルファベットで書くローマ字を開発しました。当時の日 本人が彼の名前を聞いた音そのままでカタカナに書いたのが「ヘボン」。確かに、Hepburnを英語式にアクセントをしっかりつけて発音すると、「へ」 「ば(ぼ)」「ん」と聞こえてきます。

私の祖父がイギリスに初めて行った時、West Kensingtonまでの切符が買えずに苦労した話をしていました。考えたあげく、「上杉謙信」(うえすぎけんしん)と言ったら、「あっさり通じたよ」とのこと。

ヘボン氏がまとめてくれた「ローマ字」、それはそれでとても便利ですが、日常の日本語は音声表記できるカタカナが主流。でも子音のあとに必ず母音を加える「日本語的音声」になったことばのままに発音して「英語が通じない・・・」と苦労している日本人は数知れず。

語学習得に先ず必要なのは「聞く力」。「聞こえる耳」を作ること。

この夏は政治家諸氏のことばの真意を探るためにも、「聴く力」もしっかり鍛えることにしましょう。

2009年8月1日土曜日

プロの写真 #3

小松真一氏撮影 京都丹後市 経ヶ岬


8月になっても梅雨のあけない今年の夏
今日の京都、大雨の注意報・警報が出ています

プロの写真、今回は8月の青空です