2011年9月14日水曜日

河野義行さん

またすてきな「出会い」がありました。図書館で・・・

ノンフィクションコーナーにあった「妻よ!わが愛と希望と闘いの日々」。著者は河野義行さん。松本サリン事件の第一通報者で、最初は犯人として報道された方です。

1998年に出版された本は、背表紙が曲がり、相当痛んでいました。それだけよく読まれているのでしょう。

サリン事件の被害者、奥さんの澄子さんは1994年以来、14年間意識が戻らないまま、2008年に亡くなっています。その後、刑を終えたオーム教の元犯人との交流を続けていらっしゃることを新聞で知り、私自身、河野さんのことはずっと気になっていました。

サリン事件の実態を本で読むのはとても辛かったです。河野さんに対する警察のアプローチは、当初から犯人を作り上げるためのものでした。その理不尽(りふじん)さに対して、毅然(きぜん)とふるまった河野さん、そしてまだ高校生だった息子さんや娘さんたちのふるまい。全てが「すごい」と思えるものでした。

文庫本にはなっているのですが、中古の単行本を探して手に入れました。もっとゆっくり、何度も読み返したい、河野さんの生き様を学びたいと思ったからです。

「“
あなたを誇りに思う”と人に言ったことはない。だが言いたいと思う人はいた」。哲学者、京都在住の鶴見俊輔氏のことばです。この「あなた」は河野義行さんのことです。「こういう人が日本人にいるのを誇りに思った」とも語っていらっしゃるのです。

「命あるかぎり」という河野さんの著作にあることばです:

私は麻原被告も、オウム真理教の実行犯の人たちも、恨んでいない。恨むなどという無駄なエネルギーをつかって、限りある自分の人生を無意味にしたくないのである。



河野義行オフィシャルホームページ

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