2008年7月30日水曜日

イチロー

朝、母のトイレ介助をしているとき、テレビにイチローの3000本安打のテロップが出ました。衛星放送にチャネルを変えると直後のイチローの姿が現れました。

トップバッター、第一打席の第一球の3000本安打です。三塁まで進んだイチローでしたが、ダブルプレーで得点にならず・・・敵地テキサス・レンジャーズの球場はガラガラで、3000本安打を祝うものも何もなく、淡々とゲームは進みました。でもイチローのえも言われない柔らかい顔が印象的でした。

昨日の試合で、彼は安打を一本「損」しているようです。第二打席のゴロが一塁でアウトと判定されているのです。朝日新聞の夕刊記事はこのように続きます・・・

「えっ」という顔をしてみせたイチローは、それでも抗議をせずにベンチへ下がった。だが、腹の中は煮えくりかえっていたようだ。「微妙じゃないでしょ、あれは。セーフやん」。一塁の塁審にはかつて、何度も微妙なタイミングを「アウト」と判定され、顔を覚えていたという。抗議しなかった理由について「こいつだったんか、と思ったので」。きつい言い方で本音をもらした。

人が審判する競技には「きわどい判定」はつきものです。車いすフェンシングの試合の中でも、どれだけ「そりゃないよ!」と大声を上げたことか。でも判定は判定、審判は一旦下した判定をくつがえすことはありません。

イチローもそれを知っているから、抗議をするという無駄なエネルギーを使わなかったのでしょう。そして今日の第一打席の第一球をねらっていたのでしょう、きっと。

イチローのような人でも「熱く」なって自分の心をさらけ出すこともあると知って、ちょっと安心しました。でも同時に、彼の持つ冷静さを改めて感じます。一旦判定されたことは、Is that so?(あっ、そうなの)として、次に進む。下された判定にとらわれることなく、自分のやるべきことをしっかりやる。

やっぱりすごいですね、イチローって。

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