2014年2月22日土曜日

コーチ

ソチオリンピック女子フィギュア、浅田真央さんがフリーの演技を終えた時、コーチの佐藤信夫さんの姿がしばらくテレビの画面に写っていました。外国のコーチのようには感情を表さない、その静かな表情に、何かとても深いものを感じた私です。

コーチとは、どんなスポーツであっても、選手のベストの状態を引き出すことを心がけ、技術面、精神面でしっかり支える存在です。コーチと選手との間には、えもいわれぬ強いつながりがあるはずです。

私自身、競技スポーツをしたこともなく、ましてやコーチの立場になったこともありませんが、車いすフェンシングの活動を通して、一人の選手を強くするためのコーチの努力、奮闘を目の当たりにしてきました。文字通り、体力と気力を振り絞ってコーチは選手に対して「強くなれ」と指導しました。技術や戦略を伝え、いかなる場合でも対応できるように鍛えました。

ですが、いったん試合が始まると、コーチはただ見守るだけでした。(試合中、横から大声で指示して、レフェリーにしかられていたことはありましたが・・・)

ショートプログラムで全く予想もしなかった成績に終わった浅田真央さんを、フリーの演技に送り出す時の佐藤コーチのこころの中は、どんなものだったでしょうか。それはきっと祈りに近い感情だったのでは、そんな風に想像する私です。

メダルには届かなかったものの、今回の浅田真央さんの自己最高得点のすばらしい演技は、佐藤コーチにとっても、コーチ冥利(みょうり)につきる結果だったと思います。


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