2009年10月1日木曜日

モロッコ

モロッコと聞いたとき、何を連想しますか?ハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンの映画カサブランカを思い出す方々はそれなりのお年かな。私はクスクスという食べ物とフロリダのディズニーワールドにあった「モロッコ館」で見たベリーダンスを思い出します。

ヨーロッパと地中海を挟んだ位置、北アフリカのこの国の正式名称は「モロッコ王国」。王様が統治する国家です。その王様のために、腕をふるう日本人の料理人が紹介されていました。

スペインとカナダの日本大使公邸料理人を7年務めた大沼秀明さん(35歳)。カナダ時代に彼の料理を食べたことがあった駐日モロッコ大使から「来日する国王に料理を作ってほしい」と頼まれたのが、彼とモロッコのご縁の始まり。

05 年の秋に日本でモロッコ国王に食事を作ったあと、数日後、大使から「モロッコに来てください。無理なら、国王に、彼は死んだと伝えなければならない」と拝 み倒されたのだそうです。この依頼の表現がちょっと変わっていますね。「生きているなら、必ず連れてこい」とでも国王がおっしゃったのでしょうか・・・

妊娠中の奥さんともども、モロッコに渡り、現地で生まれた長男を連れて、国王と王妃に随行しながら料理をお出しする生活。奥さんも料理人として一緒に調理場に立っているとか。

日本風食材を手に入れるのは難しく、モロッコ人の料理人との確執(かくしつ)が続く中、「強さも弱さも、豊かさも貧しさも肯定するモロッコ人の気質を素直にすごいと思えるようになった」のだそうです。

出身は山形県。材料を生かす素朴な料理を意識している大沼さん。「最近、王妃は大根や白菜の煮浸(にびた)しを好んで食べるようになった」という文章を読んで、エキゾチックな衣裳の王妃さまが和風の煮浸しを食べていらっしゃる姿を想像して、とても楽しくなりました。

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