2011年12月28日水曜日

チェンジニアリング

先日のテレビで見た、中小企業の社長さん。家業の和菓子製造を継いでから、機械化ができないか、ゼロから試行錯誤。今ではあんパンや肉まんなど、具材を生地で「包む」機械のシェアトップの企業となりました。70歳を越しても、まだまだ新しいアイディアは一杯の現役。「止まったらだめ。やり続けることです」とおっしゃっていました。この会社では、開発に時間をかけ、何度も失敗する余裕をもって社員が働いているのです。

このような会社は実際の現場では少なく、現在の日本では、新しいものを作り出す現場力が落ちているようです。

機械設計の原点を大学教授や社会人が手弁当で教えるセミナーが関西で11年間続いているという記事がありました。ゼロから考え出すプロセスを、企業から派遣された若手のエンジニアや工学部の大学生たちに教えます。既存の考えではなく、新しい技術を創造するプロセスを体験するのです。

「モノ作り」ということばは、日本の得意分野であると言われています。ですが、現在の企業の設計担当者の多くは、既存の製品を改良したり、仕様変更することが仕事になっていて、新しく作っていく分野は苦手なのだそうです。「エンジニアリング」ではなく、「チェンジニアリング」と揶揄(やゆ)されている現実だとか。

11年間積み重ねられている実践的な設計教育が今後、日本の生産現場で創造性豊かなエンジニアの育成につながってほしいなと思いました。

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