2010年10月15日金曜日

救出劇 #2

今回のチリ落盤事故の作業員救出は全世界が注目していた生中継のドラマ。CNNのホームページにはLiveと書かれた動画の画面がありました。

最後の作業員、ウルスアさんのゴンドラが上昇している時、地上の救援隊の人たちは待ちきれないように大声で国家を歌い出しました。そして、ゴンドラの頭が見 えてきた頃、「元気かい」「大丈夫だよ、ボスはそこにいる?」というような会話が交わされていました。(スペイン語から英語への同時通訳で)

ウルスアさんを地上に迎え、歓喜に包まれた現場。ウルスアさんが大統領を始めとして、たくさんの人とハグをして帰還を喜び合ったあと、再度チリ国家の大合唱。ピニェラ大統領の陣頭指揮による救出作戦は大成功。

アメリカABCニュースには、今回のチリ政府の対応がとても早かったことを取り上げ、アメリカ政府の災害時の対応の遅さと比較していました。ニューオーリンズを襲った台風カトリーナの被害、メキシコ湾原油流出事故、いずれも政府の初動が遅れたことで被害が拡大されたと言われています。この災害をピニェラ大統領が支持率アップに利用したというような批判もあるようですが、アメリカを始めとして、外国からの支援を最初から受け入れて、万全の救援作戦を組み立てた ことは事実です。何であったとしても33人の命が救われたこと。それが一番。

現在の日本では鉱山そのものの数も減っていますから大きな事故はなくなりましたが、世界のあちこちでは毎年事故が続いています。

ショッキングな数字を目にしました。中国の炭鉱事故の多さです。去年、2009年の炭鉱事故での死者数は何と、2631人。過去最悪だった2002年では6995人もの人が死亡しているのです。

中国政府は今回のチリの事故のあと、10月7日に炭鉱経営者自身が、定期的に炭鉱夫たちと一緒に坑内に入ることを義務づけたそうです。チリの大規模な救出作 戦の報道を見て、「これが中国なら、ここまではやってくれないな」という反応が国内に起こり、それを知った政府が取った対策だとのことです。

それぞれのお国の事情はあるものの、どんな場合でも、どんな手段であっても、人命第一であってほしいと思います。

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