2010年8月30日月曜日

「大往生」のことば

図書館で永六輔(えいろくすけ)氏の「二度目の大往生」(だいおうじょう)を借りてきました。こどもたちのことば「あのね」のお年寄り版です。

年輪を重ねた方々の本音。東京人の永氏が「良し」と選んだコメントは、「気っ風」(きっぷ)のいいせりふが並びます。


「がんばってくたびれちゃいけません。
くたびれないようにがんばらなきゃ」

「呆(ぼ)けてもいいんですけど、弱ってから呆けてほしいですね。
元気で呆けてるっていうのが、いちばん世話がやけるんですよ」

「私がこうして米寿の祝いを元気で済ませることができましたのも、医者の言うことを無視してきたからです」

「人間は三歳までに一生分の親孝行をしていますよ。
赤ちゃんの可愛らしさとはそういうものです。
それ以上の期待を子どもにしちゃァいけませんよ」

「老人になったときに・・・
みせるべきものをもっているか。
語るべきのをもっているか。
伝えるべきものをもっているか。
このうち、ひとつでももっていればいいのです」

「人間は病気で死ぬんじゃない。
寿命で死ぬんだよ」

「病人で治さないで金をとる医者は、同じ職人として許せねェね。
そうでしょ、私は治せなかったら謝って、お代はいただきませんよ」

「私は薬剤師として、新薬を使ったことはありません。
新薬は即効性を追いすぎます。
ゆっくり効けばいいんです」

「病院のサービスをいろいろ言う人がいますけどね。
居心地が悪いからこそ、早く退院したいという気持ちが湧いてくるんですよ」

「死について、なんのかんのと言っている国は天下泰平なんですよ」

「多くの人を救った宗教ってあるんですか。
多くの人を傷つけて、傷をなめあっている宗教ばかりのような気がします」

「宗教家というのは創立者だけでしょうね、
純粋なのは・・・・」

「生臭(なまぐ)さ坊主だ何て、悪口のつもりでいう人がいるけれども、
これは褒(ほ)めことばなんだな。
生臭くない坊主が生臭い人間を救えるか、
相談相手になれるか」

「信徒が増えれば組織化します。
組織化したら、それは信仰じゃなくて、経営です。あとは政治家になるんでしょうね」

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