2015年4月25日土曜日

10年の月日

4月25日、JR宝塚線(福知山線)の脱線事故から10年。107人の死者、562人の負傷者がでた大惨事。世界中を駆け巡った事故の報道。息子の奥さんのお母さんから「大変な事故のようね、大丈夫?」と心配したメールがその日のうちにアメリカから届きました。

被害者家族にとって、この10年は亡くなった人への想いがつのる日々であったはず。この10年、JRの職員が「被害者担当」としてずっと寄り添ってきたという新聞記事。事故発生の時から、原則として各遺族に二人ずつ担当職員がついたのです。

被害者の悲しみ、怒りに向かい合い、それを受け止め、加害企業の責任を果たそうとした担当職員と、被害者家族の間に、この10年間に心が通じ合い、信頼関係も生まれてきたケースがあるとのこと。

事故から7年間担当し、持病の悪化で急逝した担当社員の写真を、亡くした娘の写真のわきに飾る遺族。担当社員の家族も交えて交流を続ける遺族。両親を事故で亡くし、現在東京で暮らす一人息子の自分の代わりに、毎月25日には金沢市にある墓を参ってくれる社員に感謝する遺族。

遺族とJRとの補償交渉には関わらず、ただ遺族のそばに寄り添うだけの担当社員。遺族とのやりとりの中でこころを病んでしまった担当職員もいたという現実もある中で、加害企業の社員と被害者家族という関係から、人間同士の信頼関係を育むことにもなったこの10年。


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