2012年8月20日月曜日

吉沢久子さん

「著者に聞きたい本のツボ」、19日の放送は御年(おんとし)94歳の吉沢久子さん。60代と言っても全く差し支えのない、張りのある声。先般出版された「あの頃のこと」(清流出版)について話していらっしゃいました。

戦時下、27歳だった吉沢さんが記した東京での日々。異常な雰囲気の中に生きる人たちは、助け合い、時にはユーモアを交えた会話をしていたとか。でも、昭和20年3月の東京大空襲以降は、「負ける」であろうことを誰もが感じ、自分の生死を考えてもどうしようもないというような、とても透明な気持ちになっていたのだそうです。

8月15日以降、空襲がないことがとても嬉しく、鼻歌を歌っていたという吉沢さん。その時代、その場、その時を経験した人でなければ話せない、書けないエピソードだと思います。

庶民の実生活を丁寧に書きためた日記が、「声高(こわだか)でない反戦の書」となっている、とインタビュアーが話していました。

番組の最後の吉沢さんのことば・・・「不行き届き(ふゆきとどき)で失礼いたしました」。94歳、何とも明快です。


吉沢久子さんの紹介記事
http://www.tubhouse.co.jp/shinia/shinia-yoshi.html

鎌田實医師が「あの頃のこと」をブログで紹介
http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-4fa5-3.html

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