「人の話を聞くのに、帽子をかぶっていらっしゃるのは失礼よ、帽子をお取りなさい!」
稟(りん)とした声で場内の一人に声をかけた辰巳芳 子(たつみよしこ)さんでした。わが家のご近所、京都精華大学のオープンキャンパスの講演会での一コマです。
食の大切さ、礼儀の大切さ、 丁寧に生きることの大切さ。ゆっくりした口調で話していらっしゃったのが印象的でした。この方は、どんな場合でもご自分のペースを守っていかれるのだろう な、という気がした私でした。
辰巳芳子さんは「いのちのスープ」の提唱者としても有名です。ご自身のお父さまの最晩年、何も召し上がれな くなった時に、吟味(ぎんみ)し尽くした素材で作ったスープを作ってさし上げたのがきっかけとか。じっくり時間をかけて栄養を引き出す工夫がなされた、と ても手の込んだスープで、現在はレシピが100種類を超えているようです。
先日読んだCOMLのニューズレターに、大津市民病院の緩和ケア病棟で、この辰巳さんのスー プをボランティアの方々が作って、患者さんに提供しているという記事がありました。病棟部長の津田医師も、ご自身の手で休日にスープを作っていらっしゃる とか。
やさしさのこもった暖かいスープが、患者さんのからだもこころも温めてくれるのでしょうね。
「食こそが生きる基 本」と言い切る辰巳芳子さん。現在の食生活の乱れを修正するための発言をなさっています。特に日本の将来を担う若い人たちの食生活を正しいものにすること に、こころを砕いていらっしゃるのです。
「これだけはしっかり覚えておいてね」。人生の先輩としてはっきりした口調で若い人に伝える辰巳 芳子さんの姿を想像します。
辰巳芳子オフィシャル サイト*茂仁香
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