オーストラリア南東部の「山火事」、早朝のニュースで「東京都の1.4倍の面積が消失」と言っていました。猛烈な炎に追われるように退却する消防車の写真を見ると、想像を絶する火災になっているようです。
昨日の午後、キャンベラに住む友人に電話をしたのですが、留守電で連絡が取れませんでした。彼女のお嬢さん二人が今回の火事に近いメルボルン在住ですので、市内は大丈夫とは思っても、やはり気になります。
今回の「山火事」、CNNでは「wildfire」、BBCでは「bush fire」と表示されています。日本では文字通り山が燃えるのが山火事ですが、広大なオーストラリアでは、平らな地面を火が這(は)っていく情景もあるはずで す。下草に火がついて、火事がドンドン広がる感じがあるのは、bush fireです。
アメリカ西部も山火事の多い地域。私が留学生としてサンディエゴに行った直後、8月下旬に砂漠の方角で山火事が発生しました。その火が私が住んでいる地域 に向かってきたのです。遠くの山の煙の中に時折炎も見えるようになり、ご近所では屋根に上がってホースで水をまく人も出てきました。
「とにかくパスポートだけはちゃんと持っていなさい」。アメリカのお父さんが私にそう言いました。避難が必要になるかもしれないということだったようです。
まだ英語がよくわからなかった私です。昼間だというのに、黒い煙で夕方のようになり、その中にオレンジ色の太陽がのぞいている光景。強い風と乾燥のため、遠くの町並みで、火がジャンプして新しく火事が起こる様子。今でもはっきり思い出すことが出来ます。
風の向きが変わり、私達は避難することもなく、その山火事は収まりましたが、後日お父さんの友人宅を訪問したその道すがら、全てが燃え尽きた家をたくさん目にしました。火の勢いの前に、住む人はなすすべもなかったはずです。無事避難できているといいな、そう思いました。
死者が100人を超えた今回のオーストラリアの「山火事」。まだ燃え続けています。一刻も早く終息することを祈ります。
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