私のアメリカ生活の中で鉄道の思い出といえば、急ぎの用事で出かける時に限って踏切で遭遇する、なが・・・い貨車の通過でしょうか。時には10分ぐらい全 く動けず、約束の時間に目的地にたどり着くのを早々にあきらめたものでした。ゆっくりゆっくり、時には止まってしまうかと思うぐらいの速度 で動く貨車の記憶。日本の高速鉄道の感覚とは全く違う世界でした。
「“お荷物”アムトラックの快進撃」というタイトルの記事がありまし た。このところのガソリン価格の乱高下や環境意識の高まりで、アメリカの鉄道、アムトラックの乗客が増えてきたというのです。特に東海岸、ニューヨークか らワシントンへの路線は稼ぎ頭(かせぎがしら)として奮闘しているとか。オバマ大統領がリンカーンに倣(なら)って鉄道でワシントン入りをした、あの路線 です。
ワシントン~ニューヨーク間は約2時間50分。飛行機のほぼ3倍。ですが、飛行場への道路の渋滞もなく、厳しいセキュリティーもな し、車内で携帯電話やパソコンも自由に使える、天候が理由の遅延や欠航も少ないなどが人気の理由とか。格安航空運賃の倍となる一等席(時間帯によっては 300ドル以上)が売り切れ続出とあります。
昨年11月4日、大統領選挙と同じ日に行われたカリフォルニアでの住民投票。サンフランシス コからロサンジェルス、そしてサンディエゴに至る高速鉄道の建設に賛成多数でゴーサインが出たのです。オバマ大統領の環境対策もあり、高速鉄道とは縁のな かったアメリカ国土にも将来は「新幹線」があちこちの都市を結んで走るようになるのかもしれません。
西海岸から東海岸まで時差が3時間、飛行機で飛べば約5時間。この広大なアメリカ大陸を乗り心地のいい高速鉄道で横断できたら、きっと見える景色が変わってくることでしょうね。
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