「土人にはハゲはいない」と私の父が言ったことがあります。土人とは「未開地域の原始的な生活をしている住民を侮蔑(ぶべつ)していった語」と辞書にありますから、今なら「放送禁止用語」ですね。「ハゲと文明の発展は関係している」と妙に難しく説明していた父でした。
先日新聞の広告にあった本のタイトル「なぜグリーン車にはハゲが多いのか」を見て、この父の言葉を思い出したのです。「薄毛は優秀な男の証(あかし):髪が薄くなる原因は、優秀な男を作り出すホルモンにあった!男性薄毛患者6000人以上のデータから、「ハゲ」の衝撃的な潜在能力が明かされる」・・・この本の説明です。
宣伝文句ですから、この文章を100パーセント信じるのではありませんが、この広告を見て父の言葉を思い出して吹き出してしまいました。若い頃から頭髪が薄く、私の知っている父は頭のてっぺんにはほとんど毛はありませんでした。私の思い出の中にいる父はいつもベレー帽をかぶって外出していました。
この本の広告を父が見たら、すぐに注文したことでしょうね。そして、自分の考えが正しかったと、嬉しそうに威張る父が目に浮かびます。
父の言葉(2008年7月23日)
0 件のコメント:
コメントを投稿