図書館で永六輔(えいろくすけ)氏の「二度目の大往生」(だいおうじょう)を借りてきました。こどもたちのことば「あのね」のお年寄り版です。
年輪を重ねた方々の本音。東京人の永氏が「良し」と選んだコメントは、「気っ風」(きっぷ)のいいせりふが並びます。
「がんばってくたびれちゃいけません。
くたびれないようにがんばらなきゃ」
「呆(ぼ)けてもいいんですけど、弱ってから呆けてほしいですね。
元気で呆けてるっていうのが、いちばん世話がやけるんですよ」
「私がこうして米寿の祝いを元気で済ませることができましたのも、医者の言うことを無視してきたからです」
「人間は三歳までに一生分の親孝行をしていますよ。
赤ちゃんの可愛らしさとはそういうものです。
それ以上の期待を子どもにしちゃァいけませんよ」
「老人になったときに・・・
みせるべきものをもっているか。
語るべきのをもっているか。
伝えるべきものをもっているか。
このうち、ひとつでももっていればいいのです」
「人間は病気で死ぬんじゃない。
寿命で死ぬんだよ」
「病人で治さないで金をとる医者は、同じ職人として許せねェね。
そうでしょ、私は治せなかったら謝って、お代はいただきませんよ」
「私は薬剤師として、新薬を使ったことはありません。
新薬は即効性を追いすぎます。
ゆっくり効けばいいんです」
「病院のサービスをいろいろ言う人がいますけどね。
居心地が悪いからこそ、早く退院したいという気持ちが湧いてくるんですよ」
「死について、なんのかんのと言っている国は天下泰平なんですよ」
「多くの人を救った宗教ってあるんですか。
多くの人を傷つけて、傷をなめあっている宗教ばかりのような気がします」
「宗教家というのは創立者だけでしょうね、
純粋なのは・・・・」
「生臭(なまぐ)さ坊主だ何て、悪口のつもりでいう人がいるけれども、
これは褒(ほ)めことばなんだな。
生臭くない坊主が生臭い人間を救えるか、
相談相手になれるか」
「信徒が増えれば組織化します。
組織化したら、それは信仰じゃなくて、経営です。あとは政治家になるんでしょうね」
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