冬に向かうこの季節でも、シリアなどの紛争地域から脱出する難民達は命をかけて地中海を渡ろうとしています。たとえイタリアやギリシャにたどり着いたとしても、そこからの陸路は彼らにとっては新たな苦難の道の始まりです。
この夏、難民が押し寄せたハンガリーは、その後難民の通過を防ぐために国境線を封鎖。難民たちはセルビアやクロアチアを経由してドイツに向かうルートをたどっているようです。
朝日新聞の「特派員メモ」にクロアチアからの報告がありました。農家の女性たちが畑のわきに机を出して、難民に水やバナナを手渡していた、というのです。「頑張って。難民キャンンプまであと10キロよ」と声をかけながら。
旧ユーゴストラビアのクロアチアも激しい紛争を経験した地域。「紛争地に生まれた悲しみが、私たちにはよくわかるから」というこの農家の女性達。「困ったときはお互い様だから」と通過する難民たちを支えていたのです。
生まれた土地に安住できなくなる辛さは東日本大震災の被災者の方々も同じこと。でも大多数の日本人の私たちはそれを想像するだけ。真の理解にはほど遠いかもしれないけれど、難民の人たちの境遇に思いを寄せ、何かができないかと考えることは私たちのつとめ。
この地球に「今」一緒に住む人間として、「お互い様」の気持ちを忘れないようにしたいものです。
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