季節の変わり目、珍しく体調不良で昨日の日曜日はダラダラと過ごしてしまいました。この20年、お医者さまには全くご縁のない私です(眼科・歯科をのぞいて)。漢方を中心とした東洋医学の先生に何でも相談しながら、自分の身体と向き合ってきました。いつも「こんなもんか・・・」と思うことの大切さを感じながら。
30年以上前の子育ての時期の私はこんな雰囲気ではありませんでした。熱が出た、咳をする・・・何でも心配の種にしてしまっていました。でもご近所の小児科医、斉藤先生がいてくださったおかげで、少しずつのんびり母さんになることができました。
斉藤先生は、高い熱が出ていても、注射はなし。丁寧に聴診器で身体をチェックして、注意事項をおっしゃったあとは、粉薬を処方されるだけでした。ゆったりした先生は子どもの症状であたふたする母親(父親も)にとって、何ともありがたい存在でした。
次第に子ども達もしんどくなると「斉藤先生のところに連れて行って」と言うようになりました。先生のところに行けば元気になれる、子ども心にそう思っていたのでしょう。ある時私が先生に「先生の白衣姿を見れば我が家の子ども達は治ってしまうのです」とお話ししたら、「次回はお寿司屋さんに連れて行って、板さんの白衣でも効果があるかどうか試してみたらどうですか、あっはっは・・・」と答えてくださいました。
81年、アメリカのシカゴに家族で行くことになり、最後の健康診断と風邪薬の数回分をお願いしました。新しい土地での新しい生活、やっぱり何かと心配になった母さんです。
アメリカ生活がスタートして数ヶ月後、5歳の娘が突然言いました。「この風邪はアメリカの風邪だから、斉藤先生のお薬は効かないよ、きっと」。
それ以降、斉藤先生の「白衣効果」はなくなってしまいました。でも「大丈夫ですよ」といつも言って下さった先生の安心感、それはずっと私と子ども達の心に残っていました。
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