先日大阪であった個室ビデオ店の放火事件、15人もの方が亡くなりました。真夜中で寝入っていた人たちが多く犠牲になったようです。
この火災で消火活動をした消防士117名の中で、精神的に不安定になっている人が多くいて、カウンセリングをしていると今日のニュースで聞きました。職務とはいえ、一度にたくさんの方が亡くなる現場に居合わせ、その命が助けられなかった無力感を感じている消防士さんたちがいるということなのです。大阪府では2005年4月のJR福知山線脱線事故の時にも同様なカウンセリングが行われたとのことでした。
災害・事故・事件、どんな場合でも、そこには職務上出動する人たちがいます。必要な訓練を受け、どんな場合でもその能力を完全に発揮することが求められる人たちも、心に傷を受けてしまう場面があるだろうことは想像できます。私たちの安全な日常生活を守るために、非日常が突発した時に働いてくださる方々がいる、それをいつも覚えておかなければいけません。
そして、究極の非日常を強いられている戦争の場にいる兵士たちの心はいかばかりかとも思いました。命の危機をくぐりぬけたとしても、心に大きな傷を受けたであろう帰還兵が現在のアメリカにも多くいるはずです。
私がサンディエゴで大学生活を送っていた70年代前半には、ベトナム戦争からの帰還兵がキャンパスに多くいました。平和な日本からやってきて、日々自分の勉強のことだけを考えていた留学生の私の目の前で、戦争のむごさを訴え、揺れる気持ちを涙ぐみながら話していた人のことを今も覚えています。あの人はあれからどうしたのでしょうか。名前も覚えていないその人のその後の人生が平穏であってほしい、そう願う私です。
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