2010年9月29日水曜日

プードルが一頭

「私の家にはプードルが一頭います」・・・と言うと、みなさんは「アレッ」とおっしゃることでしょう。プードルは一匹が適当ですよね。でもなぜ?

留学生たちとおつき合いしていると、こんな日本語に関しての質問をよく受けるのです。ほとんどの場合、ちゃんとした答えがわからない私です。「なんだか、違う」「なんだかおかしい」ということしか言えないのです。

「数え方でみがく日本語」という本を借りてきました。これも「ちくまプリマー新書」ですから、中高生向きにわかりやすく書かれた本です。

まず、一匹と一頭の違いの説明から。

  ・人間より大きな生き物を数えるのは「頭」(とう)
  ・人間より小さな生き物を数えるのは「匹」

・・・と明快な説明がありました。チビのChuckが一頭ではおかしいはずです。

こんな例も・・・
  
  ・朝食に、鮭(さけ)を一切れ食べました。
  ・お歳暮(せいぼ)に、鮭を二本頂きました。
  ・産卵のために、川をのぼる鮭が三匹見えました。

以下の文章は、数え方がヒントになって数えるものを省略できる例ですが、英訳するなら、「切符を」「電車を」と加えないといけませんね。
  
  ・新幹線の改札機には二枚同時に入れてください。
  ・無理をせず一台お待ちください。

手紙を書かなくなって久しいのですが、手紙を数えるのは「一通」。最近はやりのメールは「一件」となります。この二つの比較となると・・・

  ・「通」で数える場合は、メッセージが相手に通じていることを表します。
  ・「件」で数える場合は、メッセージが相手に通じているとは限らないことを表しています。

  ・・・だから、時々「メール届いてる?」と確認しないといけなくなるのですね。

日本語の助数詞は多種多様、日本語を外国語として学ぶ人にとっては難しいものの一つです。でも日本語の表現を豊かにしているものの一つが助数詞なんですね。

この本の著者飯田さんは、「飲み物に応じて適当な器が存在するように、数えるものに応じて適切な数詞が存在するのです。そうすることによって、飲み物もことばも味わいが一層深くなるのです」と記します。

何でも「一つ」「一個」と数えないで、正しい助数詞を使いたいものです。

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