2010年9月17日金曜日

がんから教わったこと

滋賀県近江八幡市にあるヴォーリズ記念病院ホスピス長の細井順医師。ご自身のがんの闘病を新聞に記していらっしゃいました。医師としてがんを経験して、患者さんの気持ちがやっとわかったと書かれた先生の文章です。


「がんは悪性と呼ばれ、致命的な病気の代表である。だが、私の人生にとっては良性だった。がんを通して生きる意味を教わった。

(中略)

人はひとりで生きているわけではないこともよくわかった。誰かに支えられて、真っすぐに歩んでいけるのだろう。お互いに支え合うから生きていける。誰かの支えになることがよい人生を過ごすためのもう一つの道筋なのだろう。

支えというのは援助することばかりではない。ある人の“思いの宛(あ)て先”になることも支えることである。待たれる人も支える力の一つになる。介護されることも誰かの支えになっている。弱さ、無力にも存在価値がある。

誰のことも大切にしていきたい・・・こんなことをがんから教わった。」


どんな状況であっても、人が生きていることそのものに意味がある。
改めてそれを強く感じた文章でした。

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