2009年10月5日月曜日

ほのぼの屋

京都新聞で見かけたお顔、どこかで見たような・・・

フレンチレストランのシェフのお顔でした。「ミレイユ」という小さなレストランのオーナーシェフでした。母が元気だった頃、よく一緒に行きました。10人も入れば一杯になるお店。上賀茂神社から西へ・・・というような場所ですから、知る人ぞ知るレストランでした。

三重県の志摩観光ホテルで料理人として腕を磨いた糸井和夫さん、南フランスへの修行も含めてフランス料理一筋。1985年に開店したミレイユは、2005年まで、気楽でおいしいお店として人気がありました。

その糸井さんは現在、京都府の北、舞鶴市にあるカフェレストラン「ほのぼの屋」の料理長です。ほのぼの屋へようこそ

こ のほのぼの屋は社会福祉法人まいづる福祉会の障害者就労支援事業所「ワークショップほのぼの屋」が2002年に開設したレストランです。現在20人を超え る精神障害のある人が、プロから接客術を学ぶなど社会との接点を求めて働き、経済的な自立を実現する施設として注目を集めているのだそうです。

フレンチ料理のシェフとして常連客の好みを知り尽くしてその人に合った料理を出す。料理人としては一つの理想型ともいえる自由な仕事をさせてもらったと言う糸井さん。このほのぼの屋のシェフの仕事を聞いた時、「自分が求めてきた役目が回ってきた」と思ったのだそうです。

知的障害がある糸井さんのお姉さんが、学校や作業所で多くの人の世話になりながら生きている、その姿を見つめてきた糸井さん。ご自身が「恩返し」ができるかもしれない、そう思ったそうです。

糸井さんはこう言います。

「最 初は名前の意味がぴんとこなかったんです。でも働いている人はみんなそれぞれの障害とたたかいながら懸命に働いているんです。確かに動作が少し遅かったり することもあります。でもそれをお客さんも理解して急がず、いい景色と料理をゆったりと楽しんでいただきたい。その雰囲気が「ほのぼの」だと思うんで す。」

「この素晴らしい場所をなくすわけにはいきません。存続することが何より大事です。私は健康の許す限り働くつもりですよ。そして後継者を得てさらに永続させる、それをいつも考えています。」

糸井さんの友人が言ったそうです。
「ほのぼの屋に行ってから顔つきが変わったね。にこやか、和(なご)やかになった。」

一度行ってみたいレストランです。

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