2009年5月13日水曜日

車いすの旅

先日の新聞に、車いすのお母さんを連れて大阪から東京まで行った方の投書がありました。私鉄とJRを乗り継いでの旅、駅員さんや新幹線の乗務員さんたちの親切な対応に「大感謝の旅」になったと書いてありました。すてきな経験をなさったようです。

私が関わっていた車いすフェンシングでは、遠征と言えば海外でした。飛行機の旅は、車いす利用者にとっては、とても「快適」なものです。搭乗手続きも「特別」ですし、出国・入国も係の方の誘導で事務所のカウンター横から通してもらえます。もちろん海外での乗り継ぎも、飛行機会社がしっかり連絡してくれてい るので、とてもスムースです。

飛行機に乗るときと降りるときに時間はかかりますが、あわてる必要はありません。乗り継ぐ飛行機が必ず私たちを待っていてくれるのですから。

ですが、1998年、初めて大人数で香港遠征に出かけた時のこと。出発の時は、見送りのメンバーもいて、関西空港行きの「はるか」に乗り込む時、空港での動きもそれなりにうまくいったのですが、帰りは大違い!

入国のあれこれを手伝ってくれた飛行機会社のスタッフは「JRの駅まではお手伝いできません」。JRの対応も「各自で荷物を運んでください」とつれないも の。ただでさえ荷物の多いフェンシングです。同行者が右往左往しながら荷物を運び、全員が「はるか」に乗り込んだ時は全くの疲労困憊(ひろうこんぱい)状態。「なんで自分の国に帰ってきて、こんなに苦労するんだよ!」とスタッフの一人が大声でぼやいていました。

それから10年。車いすの旅 が日本国内でも楽になっているようで、本当によかったこと。車いすを使う方々が、好きなときに好きなところに「気兼ねなく」行けるように、もっともっと整備されてくればな、と思います。駅のエレベーターなどのハードの面はもちろん、私たち一人一人のこころのソフトの面でも。

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