2016年5月17日火曜日

「なぜ、ぼくはがん治療医になったのか」

1996年に出版された「患者よ、がんと闘うな」という本の著者、近藤誠医師の「なぜ、ぼくはがん治療医になったのか」を偶然、図書館で見つけて2日で読破しました。

1998年発刊の単行本の文字がこんなに小さいとは・・・数字が一杯出てくるがん治療の詳細部分は頭がついていきませんでしたが、近藤医師の医学会への反乱とも言える発言がどのようにして生まれてきたのか、深くこころに届くことばに沢山出会いました。

少々長くなりますが、一部を抜粋します。

・がんで死ぬのは自然だが。治療で死ぬのは不条理そのものではないか

・闘う気持ちと闘って合理的な対処法を考えていくべきだ

・がんであっても危険な治療は許されない。治療のために一人も死なないですむ、そういう治療を目指すべきだと考えるようになった

・僕は今、患者さんが退出する間際にかけることばを失っている。でも僕はどんなことがあってもあなたを見捨てない。あながたどこへ行ってどういう療法を受けてもいい。戻ってきたらまた何も言わずに迎えてあげる。内心そういう気持ちで診察室を出て行く人の後ろ姿を見送っている

・辛くても自分で決めること


手術は成功したけれど患者は亡くなった、そんなことが少しでもなくなるように。医療者として、人間としての葛藤を思います。


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