去年の10月、第17回ショパンコンクールの優勝者、チョ・ソンジンの演奏をあれこれ追いかけて聞いていた私でした。5年に一度のショパンコンクールの過去の優勝者はいずれも有名な演奏者として活躍しています。
お正月のテレビで、コンクール参加者が、使用するピアノを選ぶことができるのを初めて知りました。日本のピアノメーカー、ヤマハ、カワイも「もう一つのコンクール」に参戦していました。本戦出場者10名のうち、ヤマハを選んだのが7人。スタインウェイを選んだのが3人。
ショパンコンクールの一ヶ月、ずっと詰めていたヤマハの技術者や調律師の人たちが「こんなにうまいビールは入社以来飲んだことがない」と祝杯をあげた姿は、ピアノコンクールの最高峰の一つで、これだけの演奏者がヤマハを選んだことがどれだけすごいことかが伝わってきました。
ただし、7人の演奏者のそれぞれ個性的な音に対する要求をどのように対応するか。演奏者ごとに音を変えることはできないのですから、7人の演奏者が満足できる音作りはどうすればいいのか。調律師の悩みは大きかったようです。
優勝したチョ・ソンジンが弾いたのはスタインウェイ。二位になったカナダのシャルル・リシャール=アムランが弾いたのはヤマハ。ヤマハが頂点に立つことはできませんでした。
「5年後に向けて、やるべきことをしっかり準備していきます」と、ヤマハの調律師のことば。演奏者だけでなく、彼らを支える裏方さんたちの次への挑戦はもう始まっているようです。
ショパンコンクール公式ピアノ
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