2015年8月3日月曜日

耳のうしろ

明治生まれの祖母に育てられた私。お風呂でよく言われたことば。「耳のうしろをしっかり洗いなさいよ」

そんなことばを思い出したのは、作家の幸田文(こうだあや)さんの「流れる」という作品に「耳のうしろを磨く」という表現があると紹介されていたからです。

これは花街の置屋の女主人のことば。結髪(けっぱつ)の芸者さんたちにとって、耳の後ろの清潔さの大切さを意味し、「しろうとさんとは違う」という自負も込められたものなのかもしれません。

祖母が芸者さんのことを思って、私に耳の後ろを洗うように、と言ったわけはありませんが、「髪を結う」ことが当然であった祖母にとっては、身だしなみの一つだったはず。

耳の後ろはいつも隠れている髪型の私でも、やっぱりそこはしっかり洗っておきたいと思います。そこは加齢臭が発生しやすい場所でもあるようですよ。(急に色っぽくなくなりますね・・・)

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