子どもが欲しいと思うカップルにとって、現代は色んな治療が可能になりました。「生殖補助医療」で、自然に妊娠できない女性も赤ちゃんを授かる可能性が産まれました。
匿名の第三者が提供した卵子での体外受精が行われていたというニュースがありました。姉妹からの卵子提供は今までもあったようですが、匿名の他人からの卵子提供は国内初となるのだそうです。
匿名の提供者の精子を使う「非配偶者間の人工授精(AID)」は、日本では1948年から始まっています。今までに1万5千人以上がAIDで産まれたとされています。
その中の一人、医師の男性は、29歳の時、血液の白血球の型を調べる医学部の実習で、自分がAIDで産まれた事実を知ったとありました。それ以降、実の父親を探そうと努力を続けますが、それは叶えられませんでした。
生殖医療において「産まれてくる子どもの立場」を考えるのは不可欠であるはずなのに、日本においては、その子どもの出自を知る権利が法律で守られていないのです。
現在42歳になるこの医師のことばです。
「出自を知りたいという願いは人としての根源的なものだと、僕は体験に基づいて語ることが出来ます。そうした願いや様々な思いを持つ生身の『人間』を誕生させるのが生殖補助医療だということを、親も社会も改めて認識すべき時期が来ていると思います」
「単なる遺伝上の父でしかないけれど、精子提供者が見つかれば、一緒に酒が飲みたい」
親になる権利だけでなく、産まれる子どもの権利もしっかり守られる社会であってほしいものです。
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