先日のフェスティバルホールでのコンサート。アンコールの一曲目はこのツアーの他のプログラムに入っているモーツアルトのピアノ協奏曲「戴冠式」の第二楽章でした。辻井さんが曲名を紹介しているとき、バイオリンのメンバーが立ち上がって席替えをしました。
ニューヨークを拠点とするオルフェウス室内管弦楽団の今回の来日メンバーは34名。このオーケストラは指揮者なしの演奏が有名だそうです。ホームページをのぞいてみると、多くの映像から、このオーケストラのユニークさがかいま見られました。
http://www.orpheusnyc.com/
「まるで大きな騒がしい家族のようなグループ」と表現されていたように、練習は色んな人がワイワイと自分の意見を言っ合っています。単に指揮者の指示で演奏するのではないので、他のパートも十分に理解する、つまりよりお互いの音を聞き合いながらの演奏となります。
最初は小さなアンサンブルで練習してそこから演奏人数を増やしていきます。バイオリンのコンサートマスターや、それぞれの楽器でも曲によってコアメンバーが変わりす。
騒がしさの中から、自分たちの納得できる音を作って表現していく、それがこのオーケストラの特徴だと、映像の中で語られていました。
この「オルフェウス方式」は、若い音楽家の練習にも取り入れられ、自分で考えて演奏することの大切さを学びます。そして、単に音楽だけでなく、ビジネスや教育の分野でも同様な方法を取り入れる人たちが増えているのだそうです。よりよいリーダーシップや組織作りのモデルとなっているということです。
どんな場合にも臨機応変、敏捷性に富んだ演奏ができるオーケストラ。席替えをしながら、団員一人一人が同じレベルで演奏を楽しむ。第一部のオーケストラ演奏後のブラボーはその楽しさが私たちに伝わったからなのでしょう。
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