土曜日午後1時、NHKのEテレ、こころの時代で偶然お話を聞くことができました。2年前に放映された映像の中の渡辺さんは85歳。穏やかな話し振りに静かに感激した一時間でした。
1936年(昭和11年)2月26日、「二二六事件」でお父さまが目の前で射殺された時の渡辺さんは7歳。陸軍中将のお父さまは、遅くにできた渡辺さんをたいそうかわいがっていらっしゃったとか。軍人の家族として小さいなりに覚悟があった渡辺さんは「私がこの世に生を受けたのは、父の最後をしっかり見届けるためだった」と話されました。
キリスト教の洗礼を受け、29歳で修道院に入り、アメリカ留学後36歳でノートルダム清心学園の学長に。ご自身の歩みの中で、戸惑ったこと、つまづいたこと、つらかったことなどを淡々とお話になる渡辺さんの穏やかな表情がとても印象的でした。
番組のタイトルは「ふがいない自分を生きる」。常に謙虚に、自分から微笑みを相手に届ける努力を続けられた渡辺さんの「ふがいなさ」とは、どんな時にも神さまとの対話の中で感じられていらしたものなのだと思います。
Twitterということばは完璧な発音でした。マザーテレサの来日の折に通訳をなさった英語力は健在のようです。「今」の世の中のことも的確に把握して、一人一人に静かに寄り添っていらっしゃる渡辺さんに、これから進むべき道を示していただいたような気がした一時間でした。
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