2011年12月6日火曜日

「ふくしま」からの声

おとといのブログで書いた、12月3日開催の三元中継:Talk In: Fukushimaの再生。

福島県飯舘村(いいたてむら)の菅野宗夫(かんのむねお)さんから、直接お話を伺うことができました。菅野さんと、ふくしま再生の会がつながり、その発起人の一人である田尾陽一さんが、私が関係しているGlobal Voices from Japanの実行委員長であるというご縁から、東京と京都の留学生たちが集まることになったのです。

菅野さんのお話の要点です:

・飯舘村は福島県北部、面積230平方キロ、その75%が森林。太平洋からは30キロ。福島第一原発からは30~50キロの地域。

・村民6300人、1800世帯であったが、避難後は世帯数が約2800となる。菅野さんのお宅も、息子さんの家族(孫2人)と別居になる。

・計画的避難地域になり、あちこちに分散した避難所で住民の3割が生活。借り上げ住宅やアパートで7割が生活。

・3・11当初は、原発の近くの住民が飯舘村に避難してきた。原発事故よる汚染の詳細は何も知らされなかった。

・地震や津波は地球が「生きている」から起こってくること。人は、それに対応する知恵を積み重ねて今後も暮らしていかなければならない。それに対して、原発事故は人間が作り出した科学技術が引き起こしたもの。本来なら、事故が起こったとしても、それをコントロールできる技術がなければ、使ってはいけないものであった。

・国による除染作業がやっとスタートしたところ。今後、この作業の進み具合によって復興への道のりが決まる。

・村民の中には、もう地元には戻れないと考え始めている人も出てきた。まだ「どん底」にも達していないのかもしれない。光は全く見えない。

・しかし、たとえ現在、放射線量が高い状態であっても、まだ村をあきらめたくはない。世界の知恵を全て集めて、村を再生していきたい。

・原発事故は単に、福島だけの問題、日本だけの問題ではない。地球に住む全ての人が共有すべき課題である。今後、決して風化させてはいけない。


菅野さんから現在の深刻な状況を伺うと、村民の方々の絶望感が伝わってくるようでした。そんな中、菅野さんの冷静な見事に整理されたお話は、当時者だからこそ伝えられる力があふれていました。最後に菅野さんがこうおっしゃいました。

「今日はありがとうございました。お話ができて、私のストレスが随分解消されました。また次のTalk Inで、飯舘村がどうなっているのか、私の考えがどう変わっているのかを、お話したいと思います」。

夕方、東京の担当者が菅野さんにお礼の電話をしました。その折のコメントです。

「世界の方々が、福島の問題を自分達の問題として考えてくれてることを実感できて、本当にうれしかった。ぜひ、皆さんに来ていただきたいです」。


離れて住む私たち、これからも飯舘村を、そして多くの大震災の被災地にこころを馳(は)せていかなくてはいけません。


飯舘村に関しての色々なサイト、ぜひご覧ください。

河北新報ニュース 「村へ帰る」信じ除染/農業・菅野宗夫さん=福島県飯舘村

住民と留学生、ネット討論 福島・飯舘と東京、京都結ぶ (河北新報)

土井敏邦Webコラム:日々の雑感 221:飯舘村・NHKドキュメンタリーの底力

「Talk In: Fukushimaの再生」のUSTREAMです。動画サイトがうまく貼り付けられません。このURLを反転、右クリックで表示します。
http ://www.ustream.tv/channel/talk-in-fukushima

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