2011年12月1日木曜日

のっぴきならない状況

1999年5月、ウィーンに住んでいる高校時代のクラスメートを訪ねました。
地図を見ながら、一人で街を歩いていた時、銀行のウィンドウに見慣れないお札がありました。「ユーロ札」を見た、それが最初でした。

2002年から通貨として流通し始めたユーロ。私が車いすフェンシングや仕事でヨーロッパによく出かけていた頃、1ユーロが150円近くにまで上昇し、「何でも高いヨーロッパ」と強く感じたものでした。ですが、国境を越えても、お金を両替しなくてもいいのですから、旅行者にとって、とても便利だったのも事実です。

ヨーロッパ統合の象徴だったユーロが揺れています。統合そのものもなにやら基盤が危なくなってきています。ギリシャ、イタリア、スペインと財政危機が伝えられているだけでなく、それをサポートする立場のフランスやドイツでも国債が売れなくなったり、格付けが下げられたり、ヨーロッパ全体が不安定になってきています。

ラジオでも経済学者が、今のヨーロッパは「のっぴきならない状況」だと言っているのを聞きました。「一つのヨーロッパ」構想は、「一つの世界」への入り口だったはずです。のっぴきならない状況、つまり「進退きわまった」状況が、何とか上手な解決策に行き着いてほしいものです。素人には難しすぎるテーマですが・・・

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