「震災を詠(よ)む」という番組を偶然目にしました。大震災後の短歌が紹介されていました。
本堂の
遺影のあまた
笑(え)みており
日差しの中に
慰霊祭を待つ
「じゃあまたね」
いつもの声を
留守電に
残して友は
逝(い)ってしまいぬ
原発事故を詠んだものもありました。
コスモスの
揺らぎのように
問うてくる
「送ってもいーい」
角田の新米
(福島県に近い、宮城県南部にある角田(かくた)市の友人が電話で聞いてきた)
窓あけて
涼風病妻(つま)に
送りたし
されど叶(かな)わぬ
原発の夏
少ない文字の中に、多くの想いがこもっています。情景が浮かんできます。普段使わない言葉も多いのですが、整ったリズムはすてきです。短歌は俳句とともに日本語文化の大きな財産です。
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