ハンク・ジョーンズさんが91歳で亡くなったと今朝の新聞に出ていました。伝説的なジャズピアニスト。日本が大好きでした。新聞によると、今年の2月にも日本各地で演奏会があったとか・・・
もう10年以上前のことだったと思います。友人から「通訳」の仕事が回ってきました。ハンクジョーンズさんの通訳です。毎年通訳をしている方の都合がつかなかったのです。客員教授でもある大阪音楽大学でのワークショップ、ジャズセッションなどのアテンドの仕事。ワクワクして出かけました。
ワークショップは、ピアノだけでなく色んな楽器の学生を教えます。まず演奏を聴いて、ゆったりした口調で、いいところを思い切りほめて、気をつけるところ をやさしく教える。ハンクさんの人柄そのものの「授業」が続きました。通訳にもさりげなく気を使ってくださるので、タイミングもばっちり!私自身、彼の一言一言を聞きのがさないように、必死でした。
大阪でのジャズセッション。今でもはっきり覚えています。初対面のドラマーとベーシストと握手をして、さっそく音を出します。それぞれが「何となく」演奏 している風でしたが、そこから、お互いの息を感じてドンドン盛り上がっていきます。「ジャズセッションってこうなんだ!」と本物を間近に見て感激していた私でした。
食事はいつも夜遅くなります。でもそれがとてつもなく楽しい時間でした。次から次に繰り出されるハンクさんの冗談。それに気楽に乗っていく私に、「二人で舞台に出られるかな・・・」とウインクしていたハンクさんでした。
ハンクさんに質問してみました。
「リクエストに答えられなかったことありますか?」
「一度もないよ」
「すごい!」
「僕よりジャズの曲を知っている人なんかいないもんね」
当時80歳に近い年齢だったはずですが、自宅にいる日は8時間は練習している、とさらっと話していたのが印象的でした。「名手」と言われても精進を続けるから こそ、人の心を打つ演奏が続けられたのでしょうね。仕事の折にサインをもらったCDを改めて聞いています。
ハ ンク・ジョーンズ - Wikipedia
The Official Website of Hank Jones
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