2009年7月14日火曜日

登校しぶり

NHKの電話相談を聞いていて、「登校しぶり」ということばが出てきました。登校拒否になる前のこどもたちを指しているようです。朝学校に行こうとすると、おなかや頭が痛くなる。下痢になるなど、身体が反応してしまう状態だそうです。

我が家でもこの「登校しぶり」を経験しました。6年ぶりに日本に戻ってきた時、息子は中学2年生、娘は小学5年生でした。ほぼ毎日、元気に学校に通っていたのですが、娘が時々、この「登校しぶり」状態になりました。

「お母さん・・・」と元気のない声の朝、「今日は頭痛(あたまいた)?それともおなか?」と娘に聞いた私です。「うーんと、頭かな」ということになると、学校に欠席の電話をかけます。

ア メリカから日本に戻って、あれこれ戸惑うことが多い日々。身体が拒否するのは当然だと思っていました。半日、ゆっくりすると、ケロッと元気になる娘でし た。翌日、「昨日は頭が痛かったんだからね」と念を押して送り出します。つまり「口裏(くちうら)を合わしておかないと」という親心(?)でした。

我 が家では、この「登校しぶり」状態を「東京コーヒー」と呼んでいました。本人は行きたいのに行けないのですから、登校拒否ではちょっとね、と思っていまし た。何度か「登校拒否」ということばを口にしていて、何となく口から出てきた「東京コーヒー」。これが我が家の「符丁」(ふちょう)となりました。

数ヶ月で娘の「東京コーヒー」も終息。日本の公立学校のペースにすっかり慣れて、身体の拒否がなくなったようでした。

ア メリカに行った直後、小学校1年のクラスにいた息子もこの東京コーヒーになっていたことがありました。「学校に行きたいんだよ。でも身体が起きない の・・・」と言っていた息子です。無理もありません。全くわからない英語で一日過ごすのです、そのストレスはおとなの想像以上のものだったはずです。

おとなになってからも娘のメールにはと時々「東京コーヒーしたいよ」とありました。そうですよね、仕事に行きたくない日もありますよね。

あるがまま、無理をしないで・・・でもがんばって、みんな仕事や勉強を続けています。

登校拒否児童や生徒の数が増え続ける現在。こどもたちに「無理しなくてもいいよ」と声をかけてあげたい私です。

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