JR宝塚線脱線事故の被害者家族とJR西日本が、事故の背景を合同で検証しようとして立ち上げたのが「課題検討会」。なぜ事故が起きたのか、再発を防止するためには何が必要なのかを話し合った場となりました。この検討会は被害者側からの提案でスタートしたものでした。
JRの責任追及をする場ではなく、真実の解明を優先させること、それがこの会合の基本でした。立場が全く違うものが集う中、冷静に話し合いが続けることは大変であったと想像されます。ですが、どんな状況でも対話を続けようと参加者みんなが努力したといいます。
JRが事故後、運転手に「定時運行へのプレッシャー」を尋ね、30人中3人が「ある程度感じる」「とても感じる」と答えたアンケート結果に、会社側はプレッシャーに感じる運転手が一割だったと思ったのに反し、被害者側の理解は「一割もの運転手がプレッシャーを感じている」というものでした。立場が違うと見方が相反する現実を双方が改めて感じ取った検討会だったようです。
「私自身がもし被害者家族の立場なら、大切な家族を奪った企業の社員を前にして、とても冷静にはなれないだろうと思いました。ご家族の方々の真摯な態度に感銘を受けました」と参加していたJR社員のコメント。相手の非を責めるのではなく、真実を知りたいと冷静な態度を保った被害者家族の方々の強い想いが、事故の教訓を将来に活かしていくのだと感じました。
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