2011年11月8日火曜日

壁新聞

今年の4月、アメリカの息子のところに滞在していた時、東日本大震災後、石巻日日(いしのまきひび)新聞が3月12日から17日まで発行した「壁新聞」のことを知りました。ワシントンにある「Newseum」がその壁新聞を入手して展示する、それが報道されていたのです。NewsのMuseumですから「Newseum」。新聞の全てを収集する美術館です。

Newseum | Handwritten Newspapers From Ravaged Japan at Newseum

(このページの動画にも壁新聞が出てきます。ページの左下にも壁新聞や石巻の情報があります。)

9月25日、石巻日日新聞は国際新聞社協会の特別賞を受賞しました。ペンと紙だけで、情報を提供し続けたのは、新聞社の仕事の原点であるという評価を受けたのです。

壁新聞出した石巻日日新聞に特別賞 国際新聞編集者協会

ラジオに出演していた、石巻日日新聞の記者のコメントです。
・地震と津波に襲われ、新聞を発行出来なくなったとき、ここであきらめてはいけない、と思った。
・地方紙としての自分たちの仕事は地域の人たちへの情報提供であり、その仕事を続けただけ。
・情報を提供するには、平常時でも非常時でも、送る側と受け取る側に信頼関係がなければならない。
・新聞社の創設者のことば、「地域の回覧板たれ」を守っただけ。
・本当の意味での復興につなげるために、住んでいる人の声を反映するのが今後の課題。

自分自身も被災した記者たちが、不眠不休で情報を集めて作った壁新聞。避難所に張り出すと、人だかりができたそうです。壁新聞には「正確な情報で行動を!」と赤い字で書かれています。その正確な情報を求めて文字通り走り回った記者たちだったと思います。

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