福島の原発事故が起こってから、原発に関しての本が書店にたくさん並んでいます。何を読んだらいいのか、手がかりがない中、鎌田實先生のブログで紹介されていた「原発の真実」を読みました。
著者は京都大学原子炉実験所 助教授の小出裕章(こいでひろあき)氏。鎌田先生が、原発事故に関して、疑問があると電話で質問をしているお相手とのこと。
原子力のプロとして、原子力の恐ろしさを40年も前から警告を発し続けていたという小出先生のことば:
「私はもう40年間も原子力の場にいました。私自身は原子力推進の旗を振ることは決してしませんでしたし、何とかやめさせようとしてきたわけですが、私の力が小さすぎて、原子力を推し進めようという大きな力に対して、何もできないまま事故が起きてしまいました。
私にとっては非常に無念でありますが、原子力という現場にいる一人として、それなりの責任が私にもあると思いますし、福島の方々にも申し訳ないという気持ちをぬぐいきれません。」
「日本人のすべての大人には、原子力をここまで許してきた責任があると思います。それは政府や電力会社が原子力発電は絶対安全だと言い続けてきたわけですし、多くの日本人はだまされてきたわけですが、だまされた人にはだまされた責任があると私は思うのです。
ただ子どもには少なくとも今の原子力発電を許したという責任はありません。放射線に対して大人よりはるかに敏感です。ですから子どもをいかに守るかというシステムをつくらなくていけないと思います」
「2011年3月11日で世界は変わった。元の日常ではなくなった」という先生のことば。原発事故の直接被害者ではないのだから、と現実を甘く見てしまう(見たいと思う)自分を戒(いまし)める一冊でした。
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