会社更生法を適用された日本航空。2005年以降、日本航空から委託された、安全問題の専門家5人による「安全アドバイザリーグループ」(安全AG)の座長を務めた柳田邦男氏の「「安全文化」を壊すな」という投書記事を読みました。
5年間、現場に足を運び、経営陣とも議論を重ねてきたグループの活動を通しての提言です。この中で「安全の層」ということばを初めて目にしました。
「たとえミスや故障や欠陥が生じても、二重三重の防護策によって事故になるのを防ぐ取り組みを安全AGは「安全の層」を厚くするという表現でとらえる。」
「「安全の層」を厚くする基盤となるのは、現場の人々の仕事への意欲や情熱やひたむきな努力であり、そういう個人個人の姿勢を大事にする組織のあり方だ。そこに築かれるのが「安全文化」だ。」
社内の努力によって、現在の日本航空は、「現場のミスを責めるのでなく、教訓を共有化するという取り組みが業界で先駆的になった」と柳田氏は言います。航空会社としての今後の再建に向けて、種々の提言がなされているこの文章は最後にこう結ばれています。
「風通しの良い、なんでも言える社風が、現場の人々の意欲と情熱を生みだし、「安全の層」を厚くする基盤なのだという認識が求められているのだ。」
介護の現場も全く同じです。「安全の層」がしっかりできていること、それが一番であり、それを作り出す雰囲気が必要です。日々の仕事の中で、それを痛感しつつ、もどかしさを感じる私です。
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