街で車いすの人を見つけたら、みなさんはその人をじっと見ますか?目をそらしますか?それとも見ないふりをして見ますか?
1998年、車いすフェンシングの初めてのヨーロッパ遠征はドイツでした。ボン近郊での世界選手権に参加しました。全て競技が終わってから、フランクフルトに移動して、ゆっくり観光する予定を立てました。車いすフェンサーが4人、スタッフが4人の日本チームでした。
フランクフルトの街を一団となって移動していても、周りからジロジロ見られることはありませんでした。行き交(か)う人の流れの中にも、車いすの人を見かけました。街の風景に自然にとけ込んでいるような、そんな感じでした。
車いすで外出するとジロジロ見られる・・・のが今も日本の現状ではないでしょうか。それを逆手(さかて)に取って、仕事を始めたグループがあるそうです。
大分県別府市のNPO「自立支援センターおおいた」が始めた広告事業は、そろいの上着やプロレスの覆面(ふくめん)、のぼりやポスターを掲げる派手な出で立ちの車いす集団が街を練り歩く宣伝事業なのだそうです。昔のちんどんやさんの雰囲気でしょうか。
この事業は障害者が自らが起業の計画や構想を競い合う「ユニバーサルベンチャー・ビジネスプランコンテスト」で第一回のグランプリを獲得しました。
「障害者の個性は世の中に役立つ資源」、「起業は社会との新しい関係をつくることだ」。コンテストの参加者たちは、みんなこのような強い思いを抱いていたのだそうです。個性やアイディアが豊かな人たちは、「何か」を生みだしていけるのですね。
足が不自由だから車いすを使っているだけ。近眼だからメガネをかけているだけ。障害を持っている人も持たない人も、みんな同じ。
PS: 朝日新聞の「窓」では「障がい者」でした。「障碍者」の「碍」が常用漢字に追加されたという記事も同じ日の新聞にありました。「障害者」ではなくなるようですね。私のコンピューターで「しょうがいしゃ」と打ち込むと、第一の転換はまだ「障害者」ですが・・・
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