チンパンジーは、ときにアスピリアというという植物の葉を、噛まずに飲み込む。抗生物質が含まれていて、寄生虫が出たり、下痢が止まったりするのだそうだ。
自分の体を守るための能力(本能)がしっかり備わっているのが動物。人間も動物なのに、自分の体のことはほったらかしで、調子が悪くなれば病院に行って、お医者さまに病名をつけてもらって、初めて自分の体と対峙(たいじ)することに。
西洋医学が発達して、病気は減るどころか、増える一方。以前なら「どうしてでしょうね・・」とお医者さまが首をひねるような症状も、精密に検査をすれば、どこかに異常がみつかり、そこで病名がついて「一安心」。一つの臓器の異常や、一つの症状にこだわり、それに対処する治療がなされ、体の持ち主である「本人」は、自分の体と真剣に向き合うことなく、ただただ「おまかせ」してしまうことがいかに多いことでしょう。
30年近くグアム島のジャングルで過ごした後、1972年に日本に帰還した横井庄一さんは、85年、体の不調を感じて診察を受けると、微少な胃ガンがみつかった。手術を受けた横井さんは97年、82歳の天寿を全うする。長いジャングル生活で培われた、かすかな体の声を聞く能力が、彼の生命力の源となったのだろう。
体に痛みが出ると、ついつい悪いことばかりを想像して、客観的な判断ができなくなり、ただただ騒いでしまうことも多いけれど、自分の体をそのまま観察してみると、どこかが詰まっていたり、バランスが悪くなっているのがわかります。そしてその症状に気持ちがとらわれなくなると、案外おさまってくることを今までにどれだけ経験したことでしょうか。最近になって、やっと自分の体の声が少し聞けるようになったかな、そう思う私です。
目を閉じ、深く呼吸をして、「フムフム・・・」
自分の全身に、「いつもちゃんと働いてくれてありがとう」と感謝。
そして「これからもよろしくお願いします!」
「生命の源“体の声”に関心を」という新聞記事を読みながら改めて思いました。
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