アラビア半島の東の端っこの国オマーン。地図を確認しないとどこにあるのかはっきりしない国。イスラム教の国なのは他のアラブ諸国と同じだけれど、国内で宗派が共存している国として新聞に紹介されていました。
スンニ派のサウジアラビア、シーア派のイラン、この二つの宗派はイスラム教祖ムハンマドの後継者を誰にするかに端を発して対立が続くというのですから、気の遠くなるようなお話。国同士、国民同士、民族同士の紛争の大きな火種となっています。
人口約430万人のオマーン。この国の主流の宗派はイバード派という聞き慣れない名前。スンニ派、シーア派の人たちもイバード派のモスクで入り交じって礼拝するのが当たり前の光景だというのです。宗派間の結婚も珍しくないとのこと。他のアラブ諸国のようなテロがほとんどないのも、特定の宗派を標的にする理由がこの国にはないからだそうです。
宗教は人が生きるために必要なもの、ではあっても、それが組織として権力や政治とつながったとき、その残虐さは想像を絶するものに。自分が信じるもの以外を排斥するのは人間の悲しい習性かもしれないけれど、人を救うための宗教の暴走ぶりは理解を超えること。
カブース国王の宗派融和策が功を奏したオマーン。お隣のイエメンがサウジアラビアとイランの代理戦争状態になっている中、アラブの国としての新しい方向性を示していけるように、と思わないではいられません。
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