2012年9月3日月曜日

「原発危機 官邸からの証言」

久しぶりの「一気読み」でした。著者は京都出身の参議院議員、福山哲郎さん。官房副長官として3・11を経験した官邸の日々が綴られています。

情報が交錯(こうさく)する究極の混乱の中、何をどう判断するのか。甚大な津波被害が徐々に明らかになる中、原子力発電所の想像を絶する事故への対応が迫られます。東京電力の情報に頼るしかない状況の中、全ての事実が知らされていないことが次々に判明していきます。それを非難している時間もありません。国民への情報伝達、現場への指示、決めなければならないことが分刻みで押し寄せてくるのです。

政府の対応として不備があったことも率直に記されています。「ベストを尽くした」と自己弁護をするのではなく、あの時に、あの立場にいた人が、自分のメモ(「福山ノート」と呼ばれるもの)に肉付けをする形でまとめた記録です。

「原子力ムラ」と言われる専門家達との歯がゆいやりとりも多く書かれています。それを含めてこの経験を今後、どう活かしていくのか、今後のエネルギー対策はいかにあるべきかを提案しています。

3・11以降の政府の対応には多くの批判がありました。メディアもあれこれ書き立て、報道してきました。私たちはその中で、何が本当なのか、わからないままの日々を過ごしていました。

原発事故で直接被害を受けた方々が当時、突然生活が断ち切られた状況でどんな気持ちで過ごしていられたのか、改めてそれを思いました。



鎌田實氏のこの本に対してのコメントです。
http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/138-4d94.html

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