2010年11月26日金曜日

パレスチナ

もし家を出て仕事場に行く時、身分証明書を提示する「検問所」があったとしたら・・・
そこを毎日通らなければならないとしたら・・・
仕事だけでなく、学校も、病院に行くときでさえ、その検問所を通るとしたら・・・
それが、普段、生活している場所にある検問所だったとしたら・・・

先日京都大学であった「パレスチナにおける平和と人権」という講演会で初めてパレスチナの現実を知りました。講師はユダヤ系アメリカ人のアンナ・バルツァーさん。20代の女性です。(彼女のプロフィールを下記に転載)

スライドで、パレスチナの西岸地域の現実を説明してくれました。
 ・イスラエル政府がお金を支給して、ユダヤ人に入植をあっせんしている。
 ・ユダヤ人用の整備された道路の横に、でこぼこで、所々に土が盛り上げられ、
   車が走れなくなっているパレスチナ人用の道路がある。
 ・ベルリンの壁の二倍、7メートルの高さの壁が作られて、パレスチナ人の
   居住地域が分断されている。
 ・1047年の国連によるパレスチナ分割で、イスラエルが建国されてから、
   パレスチナ人達の土地は、中東戦争などを経て年々小さくなっている。
   (パレスチナ人が土地を追われた)
 ・505もある検問所はパレスチナ人の自由な移動を制限し、
   夜間は閉鎖されるから、急病でも病院に行けず、死亡することもある。
 ・パレスチナ人にはイスラム教とキリスト教の信者がいて、それぞれ
   ユダヤ教でないという理由でイスラエルからの差別を受けている。

まだまだ厳しい現実の説明は続きます・・・

私にとって「知らない」ことがあまりにも多かったのがショックでした。そして、アンナさんの次のことばがとてもこころに残りました。

「パレスチナ人と言えば、みんなテロリストのように思ってしまうでしょう。でも彼らの多くは、現在の厳しい生活の中で、平和を願い、自分たちの生活を守り、将来に向けての努力をしています。静かなデモを行い、世界の人々に訴えています。イスラエル人の中にも、国としてのイスラエルの在り方に疑問を持ち、パレスチナ人と同じ行動を取る人がいます。

アメリカからイスラエルに多額の資金援助がなされている現実。ユダヤ系アメリカ人としてパレスチナの現状を一人でも多くの人に知っていただきたいと思って活動しています。

みなさんも、どうぞパレスチナの現状を変えるために、行動を起こしてください。南アフリカのアパルトヘイトも、世界の国々からの声が大きくなり、経済封鎖などの影響から、変革せざるをえなくなったのです。パレスチナにも同じことが起こるように、みなさん一人一人が行動してください。」

「知る」ことから「行動」が生まれてくるのだと思います。今まで、私はパレスチナのことに関して全く何も知らなかったのだ、と実感した夜でした。

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アンナ・バルツァーさんプロフィール>

ユダヤ系アメリカ人の人権活動家。祖父母をはじめとする親族がナチスのホロコーストの犠牲となったホロコースト3世。コロンビア大学卒。2003年、フルブライト奨学生としてトルコのアンカラで英語を教えていた時、イスラエル占領下のパレスチナを訪れ、占領の現実に直面する。

以後、2007年までのべ8カ月間を西岸で過ごし、占領の実態をつぶさに体験する。2007年、写真入りルポルタージュ「パレスチナの目撃者」(Witness of Palestine)を上梓、ノーム・チョムスキーらに絶賛される。

イスラエルの政策とイスラエルを支援するアメリカの政策を批判し、全米各地ならびに海外で、占領の現実を訴える講演活動を精力的に伝えている。

アンナ・バルツァーHP 
http://www.annainthemiddleeast.com/

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