2017年は戦後72年。第二次世界大戦後、関係国が「戦後」という言葉を使ったのは、終戦直後の10年ほど。それが日本では延々と使われ続けている。なぜ?
歴史社会学者の小熊(おぐま)英二さんの文章には、日本で言われる「戦後X年」とは「日本国建国X年」の代用の表現なのだとか。
現在の2月11日建国記念日は、歴史上の日付から出ているけれど、敗戦とは全く関係なし。現在の日本「日本国」としてから始まった、という感覚は曖昧なまま、「戦後X年」が続いているという解説はとてもわかりやすい。
「戦後」という表現がもしなくなるとしたら、それは今の「日本国」が終わる時だという。
戦後に作られた憲法に示されている三大原則、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を変える体制変更があった時、それがまさしく「戦後の終わり」となる。
無意識に使い、そして目にする「戦後」という言葉。1956年には日本でも「もはや戦後ではない」という言葉が広まっていたというけれど、「戦後」という言葉が本来の意味から離れて使われている理由を考えることができた6月最終木曜日の小熊さんの論壇時評。
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